親:「どうして、あのとき、子供にああいうこと言ってしまったんだろう…って、あとから後悔するんです」
こういう相談は、よく寄せられます。
カウンセリングでは、延々と自分自身を責めつづける親御さんもいらっしゃいます。
「やっぱり私ってダメな親ですよね…。ダメだと分かってるんですけど…」
…といったように延々と。
気持ちは、よく分かります。心の専門家である私でも、誰かを傷つけてしまったとき、後悔してしまいますので…
まじめな人ほど悩んでしまうんですよね。自分自身を責めることでどうにか“チャラ”にならないかと、罪悪感をリピート再生してしまうのです。
ただ、本当はそうやって自分自身を責めつづけることのほうが、罪悪です。いちばん大切にすべき自分自身をいじめているのですから。
ですから、マイナスにマイナスをかぶせないためにも、罪悪感を上手くプラスに切り替えて本当に“チャラ”にしてしまうことです。
まず、罪悪感について説明しておきますが、罪悪感は「自分の中のルールを守れなかったときに出てくるもの」ですよね。
例えば、「子供をコントロールするような発言はしない」と決めている親御さんは、それが1つのルールのようになっているはずです。これは破っちゃいけないと思っているルールに。
そのルールを破ったとき、つまり、子供との会話で、つい、子供をコントロールするような発言をしてしまったとき、そのルールを破った自分を否定してしまい、罪の意識が芽生えてしまいます。
「ああ、私は自分で定めたルールを破ってしまった…。なんてダメな人間なんだ…」
というふうに。法律違反をしてしまったような感覚になるのです。
ですから、実は、罪悪感を感じた時点で、それはルールが定まっている証拠なのです。向上心があり、その向上心によって定めたルールを破ってしまったことにより罪悪感が生じているのですから、罪悪感が生じたということは向上心とルールがある証拠なんですね。
そこに気づけばプラスの思考に切り替わり、±ゼロ(チャラ)になります。
一度チャラにしたら、そこにプラスを加えて発展させていきましょう。
「罪悪感は『親の行動』を変える合図」
そう覚えておくと、さらにプラスの要素が加わり、今後の親子関係が明るいものとなります。
前述のとおり、「ルールを破ってしまった」という行動があったことで罪悪感が生じているのですから、その行動を調整しなければなりません。罪悪感はそのことを示してくれる点滅ランプのようなものなのです。
「ピ、ピ、ピ、ピ、ピーーー! あなたは行動を変えるべきですよ!」
と警告を発してくれているのが罪悪感です。
罪悪感は「親の行動」を変える合図の役割をしてくれているのです。
そう考えると
「そうか! それなら罪悪感が生じるつど、行動を変えればいいだけなんだ!」
と分かるはずです。
行動を変えるのは簡単。前述の例では「子供をコントロールするような発言をしてしまう」を「子供をコントロールするような発言はしない」に変えるだけ、です。(つまり、ルールにしたがう行動に変えればいいだけです)
罪悪感は、心の根っこにルールや向上心があり、あなたが成長していることを示していて、行動を変える合図の役割も果たしてくれている貴重な味方です。忌み嫌わないようにしてあげてくださいね。
Yuuichi Kimura / SIA Project
※SIA Projectでは、長年、不登校サポートを行なっています。不登校サポートの過程で有効だった引きこもり脱出ノウハウの一部をこのサイトでご紹介することにしました。不登校サポートでの実績をご覧になりたい方は下記のサイトをご覧ください。