最近のお父さんは、子供からあまり尊敬されていないように思います。
私が子供の頃もそうでしたが、父親のことを「すごい人」だと思っている子供は少なくなっていて、自分と同じ(もしくは少し下)くらいに思っている子供が増えているように思います。
もちろん、それぞれの家庭によって違うでしょうから一概には言えませんが、引きこもり相談を受けていると、お父さんが子供から尊敬されていないように感じることが多いので、今回は「子供が父親を尊敬しない原因」と「子供が父親を尊敬するようになる方法」をお伝えします。
子供が父親を尊敬しない原因は、はっきりしています。
「子供が父親の姿を見るのは、朝と夜と休日だけだから」
朝 → 動きがゆっくり・パジャマ姿・寝癖・あくび…
夜 → 仕事で疲れた顔・横になってテレビを観る・お酒を飲む…
休日 → ダラダラする・出かける・車を運転する・外食する…
朝、夜、休日のお父さんの主な特徴を上記に挙げてみましたが、どの特徴を見ても「この人、スゴイ!」と思えるものは無いはずです。そういうお父さんの姿しか見ていなければ、尊敬できなくてもしかたありませんよね。
昔のお父さんは、違いました。
私の祖父もそうでしたが、目の前でスゴイことを次々とやってくれました。
「今日は田んぼに行くぞ」と言って私を軽トラに乗せて連れて行き、田んぼでの仕事を見せてくれたり…
「本棚が欲しい」と言ったら、余っていた板を組み合わせてささっと作ってくれたり…
上手な口笛の吹き方を教えてくれたり、おもしろい昔話を聴かせてくれたり…
お酒の飲みすぎでしょっちゅう祖母に怒られていましたが、それでも私にとってはスーパーマンのようなじいちゃんで大尊敬していました。
だから、「子供が父親を尊敬するようになる方法」は簡単です。
お父さんが働いている姿を子供に見せてあげたらいいんです。
汗水たらしながら一生懸命作業している姿でも、制服を着て接客している姿でも、上司や部下と話しながら会社に入っていく姿でも…なんでもいいです。
一生懸命働いている父親の姿を見た子供は、何かを感じ取ります。そして、今まで見たことがなかった“昼間”、お父さんはスゴイことをしていたんだなぁと分かりま
す。そうして自然と、父親のことを尊敬する気持ちが湧いてきます。
子供は「スゴイ人」の言うことは聴くものです。父親のことを心から尊敬するようになると、父親の発言が力を持つようになってきます。
父親の発言が子供の心にスムーズに届くようになったら、ずいぶんと引きこもり対応がラクになりますよね。
(「引きこもりという言葉がなかった時代」と「子供が父親を尊敬していた時代」が重なるのは、単なる偶然ではないのかもしれませんね)
Yuuichi Kimura / SIA Project
※SIA Projectでは、長年、不登校サポートを行なっています。不登校サポートの過程で有効だった引きこもり脱出ノウハウの一部をこのサイトでご紹介することにしました。不登校サポートでの実績をご覧になりたい方は下記のサイトをご覧ください。