とってもポジティブな考え方をしているのに、引きこもり対応で失敗する親御さんがいらっしゃいます。
前向きで、明るくて、感情的にも落ち着いているのに、なぜか途中から行動がおかしくなり、理想的な引きこもり対応ができなくなる親御さんがいるのです 。
それは、一人や二人ではありません。「ほとんどの親御さん」と言っても過言ではないほど、多くの親御さんがポジティブなのに失敗しています。
なぜ、ポジティブな思考・感情を保っているのに引きこもり対応で失敗するのか?
その原因は、脳の混乱です。
私達人間の脳は、一度に2つの思考・感情を持つことができます。そのため、相反する2つの思考・感情が生じた場合、脳は解釈に困り混乱します。
ポジティブな考え方をしながらも、ネガティブな考え方もしている。
ポジティブな感情を抱きながらも、ネガティブな感情も抱いている。
そういう状態になると統一できず、あっちに傾いたりこっちに傾いたりと、ゆらゆら混乱するのです。
そこで多くの親御さんは、意識的にポジティブな思考・感情を保とうとします。「私が変わらなきゃ!」と意識しているため、前に進むためにポジティブな思考・感情を保とうとするのです。
けれども、それでネガティブな思考・感情が消えるわけではありません。ネガティブな思考・感情もしっかりと無意識に残っていて、抑圧されていますので、ある瞬間、爆発したように吹き出てきます。
それで、「昨日まであんなにポジティブだったのに、今日は急にネガティブ…」という状態に陥るのです。
とってもポジティブな思考・感情を保っているのに引きこもり対応で失敗する親御さんは、ネガティブな思考・感情を無意識に抑圧しています。一度、ネガティブな思考・感情を吐き出す必要があります。
ネガティブな思考・感情を紙に書くか、誰かに話すかして、一度全部吐き出してしまいましょう。そうすれば、抑圧されることがなくなり、解放され、「突然ネガティブが爆発する事態」を避けることができます。
しかも、今までと違い、脳が混乱しなくなりますから、混乱しないぶん、エネルギーを浪費しません。一貫性のあるポジティブな思考・感情が続くので、「途中で行動しなくなったり、理想的な引きこもり対応ができなくなったり…」ということが起きません。
(私が引きこもり相談で、まず、ネガティブなことを言わせたり書かせたりするのは、こういう理由があるためなのです)
できれば、自分のなかにあるポジティブな思考・感情も一緒に書くといいでしょう。
そうすれば、相反する思考・感情を、より対比させやすくなります。
<例>
ポジティブな思考・感情 (カッコ内は、ネガティブな思考・感情)
・引きこもりを活かして幸せな家庭を築く(自信がない…難しいだろう…)
・今以上に仕事で成功して経済的余裕を持てば、もっと子供の力になれる(できないかもしれない…)
・もっと魅力的な人間になって子供に好かれるようになる(今までなかなか性格を変えられなかった…)
・子供と共通の趣味を持つ(時間がない…)
書いてみましたか?
短期間で変化できる親御さんは、すぐに行動する親御さんです。今、書いていないなら、「なかなか変われない親御さん」に近づいていますよ。(←警告)
Yuuichi Kimura / SIA Project
※SIA Projectでは、長年、不登校サポートを行なっています。不登校サポートの過程で有効だった引きこもり脱出ノウハウの一部をこのサイトでご紹介することにしました。不登校サポートでの実績をご覧になりたい方は下記のサイトをご覧ください。