引きこもりの子供を持つ親御さんに向けて、私はよく「怒りや悲しみなどの感情を感じ尽くしてください」とアドバイスするのですが、これがどうして大切なのか腑に落ちない方もいらっしゃると思うので、今回はその点について説明したいと思います。
怒りや悲しみなどの感情を感じ尽くす。これがなぜ大切なのか?
その理由は、「自分はこんなにも強烈なエネルギーを持っているんだ」と認識するためです。
私たち人間は、不快な出来事が起きたとき、怒りや悲しみなどの強烈なエネルギーが湧き上がってきます。けれども、子供の頃、親から「ワガママ言うな!」「泣いちゃダメ!」「メソメソするな」などと言われて育った私たちは、その記憶が強く刻まれているため、無意識にその強烈なエネルギーを抑圧します。
それは、ほぼ自動的です。自分では何も考えていないと錯覚するくらい、瞬間的に「抑圧」のスイッチが入ります。抑圧のスイッチが入ったら、もう最後。自分が持っているエネルギーの強烈さを認識できないだけでなく、抑圧にエネルギーを費やしてしまうため、どっと疲れます。(ここで「引きこもり対応=疲れる」と誤解するケースも多いようです)
そして、自分は力がないのだと錯覚してしまうのです。(→引きこもり対応できるだけの元気が湧かない、と錯覚してしまう→引きこもり対応が進まない→引きこもり改善が進まない)
感情を感じ尽くすと、これと逆のことが起きます。
怒りや悲しみのエネルギーは強烈ですから、思いっきり怒って、思いっきり悲しむと、自分がいかにパワフルな存在かを実感するのです。(→引きこもり対応できる元気が湧く→引きこもり対応が進む→引きこもり改善が進む)
このことをよく表しているのが「カーッと怒る社長」です。本田技研工業(ホンダ)の創業者である本田宗一郎さんもそういう方だったそうですが、不思議に思いませんでしたか?どうして、そういうカーッとなるような社長が成功できるのかって。
その理由が「感情を感じ尽くすことによる自己エネルギーの確認」なのです。
そういう社長は、カーッと怒るたびに「自分がいかに強烈なエネルギーを持っているか」を再認識しています。だから、「俺はできる!」と思えて、成功してしまうのです。
ただ、カーッと怒られたら、まわりはいい迷惑ですよね(笑)
ですから、思いっきり怒るときには注意してください。
怒りは人や物を傷つける力を持っていますので、誰かや何かにぶつけないことです。
怒りを感じるときには、そのエネルギーを感じるだけにしましょう。
怒りや悲しみなどの感情を感じ尽くす習慣がつくと、引きこもり対応で疲れなくなります。いつもパワーに満ちているので十分なサポートができるようになりますし、そのパワーが少しずつ子供にコピーされていく効果も生じます。
つまり、「親の引きこもり対応力向上による効果」と「親のパワーが子供にコピーされる効果」のダブルの効果で子供は力強く前に進み始めるのです。
以上が、怒りや悲しみなどの感情を感じ尽くすことが重要である理由です。
引きこもり改善効果抜群の方法ですので、頭に入れておくといいでしょう。
Yuuichi Kimura / SIA Project
※SIA Projectでは、長年、不登校サポートを行なっています。不登校サポートの過程で有効だった引きこもり脱出ノウハウの一部をこのサイトでご紹介することにしました。不登校サポートでの実績をご覧になりたい方は下記のサイトをご覧ください。