あなたは、日常生活で会話をするときに言葉を選んでいますか?
例えば、誰かと話していて「ほんっっと!!あのときはイライラした!」と声に出したくなったとき、
「あのときの感情は『イライラ』という言葉が合っているのか?それとも、別の言葉のほうが合っているのか?」
と、いったん立ち止まって考えることがありますか?
無いなら、あなたはクセだけで(あまり深く考えずに適当に選んだ)言葉を発しているでしょう。
この“クセ”は、けっこう危険ですよね。日常生活で染みついたクセは「引きこもり対応」でも出てしまいますから、引きこもり対応上のリスクになります。
言うまでもありませんが、子供にとって親の言葉の影響力は大きいものです。特に、引きこもりの子供の場合、親のささいな一言を大げさにとってしまうケースが多いので、なおさら注意が必要です。
そうであるにも関わらず、クセだけで言葉を選んでいるとしたら…
そして、その適当に選んだ言葉を子供に向けて発しているとしたら…
その先にどんなリスクが待ち構えているか、よく分かるでしょう。
私達人間は、基本的にはラクをしたがる生き物なので、日常会話では脳を省エネモードにして、あまり考えずに会話したがります。本当は悲しいだけなのに「いいかげんにして!」と言ったり、本当は子供の力を信じているのに「~できる?」と言ったり…クセだけで言葉を発している親御さんは大勢います。それが子供の引きこもり悪化につながっていることに気づいているでしょうか?
今、クセだけで言葉を発している自分を自覚した方は、今日から意識してみてください。
何か言葉を発するときに少しだけ立ち止まって、
「この言葉は、本当に自分の気持ちを表しているだろうか?」
と考えてみるのです。
その意識があるだけでも、ずいぶんと違ってきます。
クセで言葉を発するのをやめ、きちんと考えて言葉を選び、子供と会話するようにしましょう。それだけで、親子関係が悪化するリスクを小さくすることができ、引きこもり悪化のリスクも小さくできます。
<参考>
シア・プロジェクトのトレーニングでは親御さんにメールで細かく現状報告していただきます。(もちろん強制ではなく任意ですが)
それは、自分が使っている言葉のクセを客観的に見て、理想的な言葉に直していただきたいからなんですね。
例えば、悲しいことがあったとき、本当は悲しいのにいつものクセで「イライラしました」と書いてしまう…
すると、その書いた文字を見て、親御さんは気づきます。
「あれ…、私イライラしてるんだっけ?」と。
そこで、「いやいや、イライラじゃなくて悲しかったんだよな」と気づき、書き直します。
でも、それでもなんだかスッキリしなくて、
「悲しいにも色々あるよなぁ。少し悲しかったのか、とても悲しかったのか…どちらかと言えば『少し悲しかった』かなぁ」
と考えて、「少し悲しかったです」と書き直すんですね。
こうして自分の感情を客観的に細かく見つめることができ、“言葉の変更”も上達するので、シア・プロジェクトのトレーニングではメールでの現状報告を行なっていただいているのです。
Yuuichi Kimura / SIA Project
※SIA Projectでは、長年、不登校サポートを行なっています。不登校サポートの過程で有効だった引きこもり脱出ノウハウの一部をこのサイトでご紹介することにしました。不登校サポートでの実績をご覧になりたい方は下記のサイトをご覧ください。