ずっと昔のことですが……
私はあるとき、ものすごくイライラしていて、怒りを感じていました。憎しみのような感情まで湧いてきそうな状態で精神的に危険なときがありました。
そんなとき、ある人に出会いました。
私は思わず、その人に怒りをぶつけてしまいました。
その人を傷つけてしまうくらいのことを言ってしまいました。
自分のことですが、本当に酷い行為だと思います…… “反撃”を受けてもおかしくありません。
でも、その人(相手)はこちらが拍子抜けするほど落ち着いていて、おだやかな口調で、こう言ったんです。
「まあまあ、落ち着いて。ゆっくり話を聴きましょう」
そう言われた瞬間、私は全身の力が抜けるような感覚になりました。
思考がパッと切り替わり、
「あ~、自分はなんてことを言ってしまったんだ……なんて自分はバカな奴なんだ!!」
と後悔しました。
そしてすぐに謝り、その人のことを心から尊敬し、「その人の言うことなら何でもききたい」と思いました。
上記の私を「引きこもりの子供」に置き換え、私が怒りをぶつけた相手を「引きこもりの子供を持つ親」に置き換えてみてください。そうすれば、子供から怒りをぶつけられたときに親がおだやかに話すことがいかに大事か、よく分かるはずです。
子供が怒りやイライラを親にぶつけてきたら、子供が驚くほどおだやかな様子で接し、おだやかな口調で話しましょう。それだけで、子供が思考を切り替えるきっかけとなります。
親のおだやかな様子や口調によって子供は自分の行為や発言を後悔し、申し訳ないと思い、親のことを尊敬するような気持ちが生じます。その尊敬する心が蓄積されていくと「親が話すことをききたい」と思うようになります。
そうして親の助言や質問が子供に届くようになることで、引きこもり対応に一筋の光が差し込むんですね。そこまで到達すれば、その後は子供のサポートがずいぶんとやりやすくなります。(=引きこもり改善)
Yuuichi Kimura / SIA Project
※SIA Projectでは、長年、不登校サポートを行なっています。不登校サポートの過程で有効だった引きこもり脱出ノウハウの一部をこのサイトでご紹介することにしました。不登校サポートでの実績をご覧になりたい方は下記のサイトをご覧ください。