引きこもりの子供を持つ親御さんと話していると、「あぁ、この親御さんは怒りを感じているなぁ」と分かることがあります。
「どうして、うちの子がこんなに消極的なの!?」
「どうして、この子はこんな態度をとるの!?」
「親戚のこの子を見る目が許せない!」
…といったような怒りです。
そういう怒りに気づいたとき、私は、「お母さん(お父さん)の心の中には怒りがありますよね?」と聴くようにしています。
ストレートでしょう?(笑)
たいてい、こういうふうにズバッと聴くと、素直な親御さんは「そうですね…」と“しぶしぶ”認めます。
なかには、絶対に認めない方もいます。
「う~ん…いや、怒っているわけではなくて…」といったふうに。
ここに、興味深い事実が隠されています。
私達は、心のどこかで「怒りを感じることはいけないことだ」と思っているんですよね。だから、「お母さん(お父さん)の心の中には怒りがありますよね?」とダイレクトに問われると、“しぶしぶ”認めたり、素直に認められなかったりするんですよね。
これでは、ストレスがたまるのも当然です。
本当は、怒りを感じたら、そのまま怒りのエネルギーを感じて、「あ、私、今怒っているなぁ…」と客観視すればいいのです。そうすれば、エネルギーが解放されますから、最短時間で怒りが消え、幸せな状態に戻ります。
けれども多くの親御さんは、怒りを感じたとき、怒りを感じている自分を判断(否定)し、判断と感情の衝突によって起きた摩擦で苦しくなっています。分かりやすく示すと次のようなイメージです。
判断(否定)
↓
↑
感情(怒り)
下から湧いてきた感情(怒り)を、上から判断(否定)で抑えるイメージです。
上記の矢印と矢印がぶつかった部分で摩擦が生じ、苦しみが持続し、ストレスがたまっているんですね。
ちなみに、「幸せな状態がずっと続くこと=幸せ」と考えている親御さんは、さらに苦しくなっているはずです。
本当は、喜怒哀楽あって、良い時と悪い時があるのが自然で、それが幸せなのですが、完璧主義の親御さんは「ずっと幸せな状態が続くこと」が幸せだと思っています。そのため、“怒り”が生じるとそれだけで不幸になってしまうのです。
そういう親御さんは、「怒りを感じている時も幸せ」という考え方があることを、
ちょっとだけイメージしてみてくださいね。
引きこもり対応では、まず、親御さんの“怒り”を解放することが重要です。
「どうして、うちの子がこんなに消極的なの!?」
「どうして、この子はこんな態度をとるの!?」
「親戚のこの子を見る目が許せない!」
そんな怒りを抱いていたら、上手くいくものも上手くいきません。
怒りは、上手に解放してあげましょう。
【ポイント】
「どうして、うちの子がこんなに消極的なの!?」
「どうして、この子はこんな態度をとるの!?」
「親戚のこの子を見る目が許せない!」
そういう怒りを感じたら、そのまま怒りのエネルギーを感じて、「あ、私、今怒っているなぁ…」と客観視すればいいのです。そうすれば、エネルギーが解放され、最短時間で怒りが消え、幸せな状態に戻ります。